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〈ベートーヴェン〉は、なぜ韓国で世界初演されたのか

〈エリザベート〉コンビがベートーヴェンの音楽で書いた創作ミュージカル

〈エリザベート〉を生んだコンビの新作

〈ベートーヴェン〉は、〈エリザベート〉〈モーツァルト!〉を手がけたミヒャエル・クンツェ(脚本・作詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(作曲)コンビの創作ミュージカルです。二人はウィーンから出発した「ドラマ・ミュージカル」を代表する作家で、華やかなショーよりも人物の感情と物語を前に出す手法で、韓国・日本の観客に愛されてきました。その新作が、ほかでもないソウルで世界で初めて舞台に上がるという事実そのものが、両国のミュージカルファンには大きな出来事でした。

なぜヨーロッパではなく韓国だったのか

クンツェはあるインタビューで、ベートーヴェンを神話のように扱うヨーロッパよりも、彼への先入観の少ない国で新しい仕事を試みたかったこと、そして自分たちの旧作を特別に上演してきた韓国の俳優・製作陣とともに歩むことにしたと語っています。EMKと十数年かけて築いた信頼が土台になりました。こうして2023年に韓国で世界初演され、同年12月には東京・日生劇場で日本版も幕を開けました。

すでに知っているメロディがナンバーになるとき

この作品の最大の特徴は、ベートーヴェンが遺した楽曲の旋律に歌詞をのせ、舞台のナンバーとして書き直している点です。「月光」や「悲愴」のソナタのように耳になじんだ旋律が登場人物の歌に変わり、交響曲第9番「合唱(歓喜の歌)」がフィナーレを飾ります。韓国語が分からなくても、メロディはすでに知っている音楽というわけで、入りやすい方です。ただし、聴力を失っていく作曲家の孤独と、それを乗り越えていく道のりを描いた物語があるので、あらすじを先に読んでおくと、より深く楽しめます。