公演・展示
事前コンテキスト・カード·目安時間 3 min

メイプルソープはなぜ、白黒にこだわったのか

形と光に集中した写真家

古典的な均衡の白黒写真

ロバート・メイプルソープ(1946–1989)は、花や人物、ヌードを白黒で写したアメリカの写真家です。百合や蘭を彫刻のように撮った静物、光と影で整えた人物写真がよく知られています。色をそぎ落とし、形と均衡、光だけを残した画面が、彼の写真を古典彫刻のように見せます。

美と論争のあいだ

彼は、厳格な古典美を禁忌の主題に持ち込んだ作家でもあります。1970年代ニューヨークのサブカルチャーを写した作品は称賛と物議を同時に呼び、1989年の没後に開かれた巡回展《パーフェクト・モーメント》は、公共の芸術支援をめぐるアメリカ社会の大きな論争へと広がりました。亡くなる前に、彼はエイズ研究と視覚芸術を支える財団を自ら設立しています。

韓屋で観る「形の詩学」

今回の国際(クッチェ)ギャラリーの展示《形の詩学》は、花や静物、人物の古典的な形に集中した仕事を集めています。韓屋を改装した空間なので白黒写真の静けさとよく合い、写真そのものが言語を超えて読み取れるため、解説がなくても十分に味わえます。三清洞(サムチョンドン)の散歩と組み合わせやすい短い会期です。