公演・展示
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ボテロはなぜ「ふっくら」描くのか

量感(ボリューム)で読むと面白いボテロ

「太った絵」ではなく「量感」

ボテロ本人は「私は生涯、太った人を描いたことはない」と語ります。彼が膨らませているのは人ではなく、かたちのボリューム=量感です。絵に豊かさと官能性を込めるための造形言語です。だから人物も果物も楽器も、同じように丸く膨らんでいます。

ユーモアの裏の風刺

明るく丸い画面は、見るだけで楽しめます。ただし権力者や宗教、日常の一場面を描くときには、さりげない風刺が潜んでいます。軽く笑って観てもよし、もう一歩踏み込んで観てもよし。前もって勉強する必要はありません。

名画を描き直す楽しみ

メイン・ポスターの作品は、ベラスケスの〈ラス・メニーナス〉に登場するマルガリータ王女をボテロ流に描き直したものです。美術史の名画を自分流に作り変えるのは、ボテロが生涯好んできた手法です。原作を知らなくても十分楽しめますが、知っているともう一度楽しめます。

ボテロが描き直した原画 — ディエゴ・ベラスケスの〈ラス・メニーナス〉(1656)。中央の白いドレスをまとった幼いマルガリータ王女が、ポスターの原型です。
ボテロが描き直した原画 — ディエゴ・ベラスケスの〈ラス・メニーナス〉(1656)。中央の白いドレスをまとった幼いマルガリータ王女が、ポスターの原型です。Diego Velázquez, Las Meninas (1656) · Museo del Prado · Public domain